ピリンちゃんは授業が1ミリもわからない

 
私が普段一体何をしている人なのか、全くわからない人も多いだろう。
実は私は6月から平日週5日間、夕刻から職業訓練学校に通いキャラクターデザインや3DCGなどを学んでいる。
という体である。


ひとえにキャラクターデザインといってもキャラクターデザインだけをやらせてくれるわけではなく、総合的な力のある人材を云々という理由によりこのところ1ヶ月くらいずっとプログラミングの授業を受けている。
授業は先生のしたことや教材に書いてあることを目の前のパソコンに打ち込んでいくという流れになるが、これが1ミリもわからない。
どこに何のフォルダがあるかの時点でつまづいたりを繰り返している。
何がわからないって、何がわからないのかもわからないのである。
私以外の同じ教室にいる皆は超人かもしれない。先生の読み上げる言葉も書いているプログラミング言語だか数字だかの意味も、1ミクロンもわからない。
雨や車の音のような環境音の方がまだ認識されててもおかしくないだろうというくらいに授業で話される言葉は私の脳を介さずに耳を通り抜けていってるらしい。


どうやら私は人と物事の理解の方式が確実に異なっている。


簡単に言えば目で見たり耳で脳に入れたものを感覚的に理解して行動に移すのが昔から極端に苦手なのである。
ダンスなどがまさにその通りの例で、どうしても空間で把握したものを自分のものにしたかったら一度言葉に直して反復を繰り返すのが吉である。
ピリンちゃんを守ってくれているのは言葉だけで、ピリンちゃんはいつもおそらくいろんな分子で作られた目の前にある階段を毎度言葉で構築し直してゆっくり上るような生き方をしている。

 


そんなことは今日の本題ではない。
人と認識能力に差があるらしい私でも、さすがにここまで何もわからないことははじめてかもしれないのだ。


私はついにとうとうあまりにも授業がわからなすぎて二週間程前、匙を投げてしまったのだ。
実際に匙を投げられているのは私であろう。
匙を投げた私が何をしているかというと、授業にウンウンとうなづいて、澄ました顔をして隣の関くんばりにクリエイティブに暇つぶしをしている。
このようにブログを書いているときもあれば絵を描いているときもあり、作るアクセサリーに使えそうなパーツを見漁ったりなどと充実した時間を過ごしている。
仲良くしてくれているお店が作りたいと申し出てくれた私の絵のタイツ柄のテキスタイルなども学校で使っているソフトを使ってこっそり作っている。
ついでにちょうどいいところにコンセントがあるのでiPadの充電もさせていただいているところだ。

 


授業は50分間×5、おそらく先生は私が1ミリもついてきてないことも完全に絵を描いていることも気づいていて見過ごしてくれているのだろう。
それでもいつか
「どうですか?」
「どこまでできてますか?」などと聞かれてしまったら
私はその場で皆の前でひれ伏して
「すみません何もわかってないので半端なく遊んでましたごめんなさい!!!!!!」と謝り切るしかないだろう。
おそらく私より後ろの席の人たちは「やっぱりな…」と思うに違いないし、私より前の席の人たちも「やっぱりか…」と思うような気がする。

 

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