怪しいホームパーティー
二週間ほど前に立ち飲み屋で出会ってキーホルダーをオーダーしてくれた一つ下の青年が「紹介したい人がいる!人脈増やしたいって言ってたでしょ。これから必要になってくると思うし色んな繋がりがある女の子やからセッティングする」
とLineをくれたので日にちを合わせて会うことになった。
日付は本日の午後21時、この街で待ち合わせの定番の十字路前でとのことだった。
おかしいなと思ったのは19時半頃に来たLineからだった。
「ごはん食べた?」
という文言に
「まだですー!」と返す。
しばらくして
「なんか料理作ってきてくれたらしいんやけど食べる?材料費だけかかるみたいなんやけど」と通知。
あれ?この時間で人会わせるのって居酒屋とかじゃないんか…?
なぜ食事を持ってくるんや?どこで会うつもり…?余ったからくれるとか…?
まず勝手に作ってきて食べるなら材料費くれって一体どういう……?
と突如頭の中に不安が渦巻いた。
会ったことのない人の作った食べたくないものにお金払うのも嫌だったので丁重に断ったが疑念が残る。
待ち合わせ場所に向かってる途中、再びLineが鳴る。
指定されていた場所から少し離れた通りで待ってて欲しいというのだ。
そして、着いたと送ると「5分〜10分遅れる、ごめん」とのこと。
もう全くわからない。その人と現れるのかどこに連れてかれるのかもわからない。出来たら帰りたかったが約束を反故にするのは得意ではない為、様子を見ることに。
暫くすると青年登場。
「ごめん仕事が遅くなって…」
「いいですよ、その人は?どこか入るんですか?」と聞くと
「それがさあ…めっちゃ近くやけど家やねんて!友達の家らしいねんけどさ」
?!?!?!?!
アラーム!心の警報音オン!!!!
「それヤバいやつじゃないの?!宗教とかゴメンなんですけど」と言うが
青年は「いやいや、本当宗教とかじゃないって。俺もその家行くの始めてだしビックリしてるわ。」
と返すのだ。
何この展開?
出来ることなら引き返したい。だがなんと言っていいかもわからず。
(私生きて帰れるんかな)と不安が渦巻く。
道なりで青年がその女性との関係を話す。
「大学のときに知り合った人で5個上やねん。」
「え、ほな年齢的に大学被らなくない?」
「いやいや、そんなんとちゃうから。俺その子のお母さんともめっちゃ仲いいし。」
最早会話が噛み合っていない。
辻褄の合わなさは空気に耐えられずスルーして、そのマンションの前に我々は辿り着いた。
〜2へ続く〜